情操教育‪α‬

忘却炉に送るまえに

221026

生理前・生理中の具合の悪い時期において数少ない効能と感じているのが、遠めの他人と接することがそんなに苦痛ではないマインドセットになること、

 

イヤホンの中にしか救いがないという感覚のことを久々に思い出す、自分の側にいてくれるラジオや音楽だけがあるところ

人が自分の興味の矛先や譲れないこだわりのある方向にそれぞれテントを張って、そこを踏まないようにコミュニケーションをとる、狭い、ユニットバスよりも狭い!

個人の心の中にある世界をそれぞれ保つことが一番大切で、外側の問題は二の次

 

録りためて集めた、馴染みのテレビ番組のストックがいくつかある状態っていうのはいい、

テレビなんてもう全然、友達は誰も見ていなくて、テレビが共通の話題だった頃は終わった、むしろ本や映画の方が感想を共有しやすくて、反対にテレビの話は誰にも伝わらない、つまり誰とも感想を共有する意欲に駆られる必要がないセーフティゾーン、

バラエティ番組の世界にある気楽な会話にほんのちょっとの知的刺激、お仕着せの愉快さ、この軽薄な幸福感を自分だけのものにしておけるのは、けっこういいものだ、

 

シャンプーを戻してやわらか髪になったので、取り扱い方を変える必要が出てきたな、

ごはんを食べてミルクの香りのあったかお風呂に入ったら心が回復してきた。

 

好きな人が表紙だからという理由で買っただけのネイル雑誌の中身を眺めてみた。

ファッション雑誌や生活雑誌とは違って、爪に塗布する液体の種類だけで延々紙面が構成されていて、完全に異常な世界。情報がミクロすぎる。

爪を飾るという行為にあるのは、居心地のよい空間、豊かなライフスタイル、そういったものへのふんわりした普遍的な憧れではなく、もっと偏執的で過剰な欲求。人体がその末端にもつごく狭い空間をつかって行うゲーム。指先に小部屋を設けようというスタイリッシュでない発想が、なかなか良いなと思う。

私自身は、長い爪を装着すれば鍵盤を触りにくいだろうし、裸に近い身体でいないと困ることも多いから、ネイルとは無縁でいようと決めていて、特に関係をもつ予定はないけれど、どんな時も指先にとっておきのキラキラが付いているとしたら、さぞかし素敵だろう