情操教育‪α‬

忘却炉に送るまえに

0515

お昼に友人と待ち合わせをしていた。今日は夜、家に家族が来ることになっているから、ある程度、家をだいじょうぶな状態にしておかなくちゃいけない。自分がいないときに、自分の空間を人に見られるというのはたとえ家族であってもかなり嫌なこと。ちゃんとしていないところをあんまり見られたくないし気配を滲ませたくない。だから実家に帰るとか家族が来るとかいうたびに、溜まってる家事を一括して精算することになり、じわじわ時間と気力が奪われている。

弟が県大会で走ると聞いていたので、出走時間に遠くから応援のきもちを送った。

友人とは上野で集合して、ハンバーグを食べて、食後にわたしはアイスコーヒー彼女はアイスティーを飲み、それからまっすぐ、御徒町秋葉原を通り抜けて日本橋まで歩いた。歩き続けることは決断を保留し続けることで、そうやってだらだら無限に時を延長し続ける感じは案外、私の気質にも彼女の気質にも、一緒にいるときの温度感にも、ちょうどよく合っている。

けっきょく遠くまで来てドトールに入り、いっしょにハニーカフェオレを注文した。たくさん話をした。無限に話すことがある。早い時間に店を追い出されるのは残念だった。

もっと気軽に会おう、お互いそうしたい、もっとふたりの間がそうあるべきだ、みたいなことをどちらともなく確認して、さらっと別れた。もっと一緒の時間があるといいし、そのために自分で動こうと思う。