情操教育‪α‬

忘却炉に送るまえに

1011

いろいろあって寝付けなかったせいで、朝から会議があるのに寝坊した。

すみだ向島エクスポをきちんと見る時間はなかったから、ただ曳舟周辺を散歩した。古さと新しさがかなり短いタームで切り張りされたおかしな街並みで、異様。孤独ではあるがさほど街からの拒絶は感じなかった。

ギャラリーとアートブック図書館をのぞいた。どっちも閉鎖的で息が苦しかった。展示を見るという行為が相変わらずよくわからず、在廊していた方に「なぜ絵を描くのか、どういう感じで制作と生活がまわっていくのか」などをいちばん聞きたかったけど、不躾な質問なので勇気が出ず、終始「同業の人」どうしで作品批評をしていた雰囲気に気圧されたこともあって、なんの感想すら言わずに出てきてしまった。作品?をつくる?のも、見せるのも、観にいくのも、全然わからない。

夕方から終電まで、おともだちと飲んだ。「だし巻き卵は卵ではなく出汁を固形として食べるために卵を利用しているにすぎないんだね」などしょうもないことを私が話しても、普通に「たしかに!考えたこともなかった」とやってくれるから、違う感じの人間どうしなのに、中学の頃からずっと仲良くやっていけてるんだと思う、ありがたい。酒の後にガストで味噌汁だけを飲んだのが、ものすごく美味しかった。こういう時間は、生活の息継ぎ