情操教育‪α‬

忘却炉に送るまえに

0211

ずっと田舎の実家に閉じ込められているという心地。母と買い物にでかけた。平屋のショッピングモールに行くためにわざわざ高速に乗る。

車を初めて運転する、というとき、いつでもどこにでも突っ込んでいけてしまうことが恐ろしかった。車線からはみ出て道路脇のオブジェクトに追突する可能性を毎秒持ち得ているのに、全員がその選択肢を選ばないようにし続けているから事故が起こっていないだけ、というのが怖くて不思議でたまらなかった。それでもやっぱり0.1秒後の自分が車線を大きく外れるだろうか、と思うと、そうそうその選択をし得ないだろうな、とも思うわけで、それはたぶん、線が引かれているからだ。線の内側だけをこれまでも長いこと走り続けてきたから、これからも瞬間的に線の内側を走ることを選び続けるだろうと思う。認識における慣性の法則みたいなもので、習慣のちからとは侮れないな、、などと考えていた