情操教育‪α‬

忘却炉に送るまえに

0617

早起きして、だいすきな友達と朝ごはんを食べてから授業に行った。にわか雨に降られて買った傘が結局5分しか役に立たなくて、日常というのはそういうもの。ビニ傘を買うとき、ひとりだったら絶対に、ちょっとくらい高くてもいちばん最初に目についたやつを買うんだけど、ひとりじゃないからそうならなかった、わざわざエレベーターに乗って100均まで行って傘を探した。そしてせっかく100均に行ったのにふたりで入れるように300円出して大きい傘を買った。そういうのが嬉しい。こういうことのために、人は人と暮らしたがるんだと思う。

不忍池のスワンボートを漕ぎながら、ライブの当落を確認した。

水面が緑色にきらきら、やけにきらきらしていた。メロンソーダの中に浮かぶみたいだった。これはハイライトではなくて日常であるし、そのことが大事だ、と思う。

朝を充実させたから、授業もがんばれるし生活のことも課題もうまく取り掛かれる。

生理がそろそろ来そうなので、今月末で無くなってしまう銭湯に出かけた。2つ隣の駅だからあまり行く機会がなかったのだけど、その銭湯が最寄駅からも少し離れているから、帰りは徒歩で帰ってこられた。

大きくて、外からみても立派で、脱衣所の天井にも柄が入っていて綺麗。露天が本当に外の空気が入ってくるところがよかった。長居できる。

ちぢこまって水風呂に入るところを遠くから笑われて、不可解だった。

露天に人と一緒に入るのが嫌なのか、何度もさりげなく扉の前を通って無人かどうか確認するそぶりを見せる人がいたのも、不可解だった。

銭湯に入ると、どうしてこんなにも、体内に入ってゆく息すらも、浄化された気がするんだろう?

よく眠れそうと思いながら、ベッドの中でスタァライトのアニメを見た。すこし欲張りすぎたと思う。