情操教育‪α‬

忘却炉に送るまえに

0610

結局、一緒に夜明けから昼まで寝た。授業はちょっと諦めて、午後までの課題の提出期限は守った。あっという間に1日終わる。冷蔵庫がほとんど空で、なにも食べる気にならない。パンだけはあるのに、パンのことを信じてないからパンを買ってもいつもパンを余らせてしまう。パンを食べる選択に至るまでのパンへの信頼がない。

ポラリスが降り注ぐ夜」を読み終えた。二丁目が舞台で、短編それぞれの中でいろんなルーツとセクシュアリティの登場人物がクローズアップされている。セクマイのことが語られるときによく出る当事者のあれこれのリアルな感情や状況が、すごい精度と緻密さで描写されているから、これは「入門編」という感じになりうるのではないか、シスヘテロの人々がセクマイ当事者のリアルな心境と現状を追体験し想像する良いきっかけになりそうだ、と思った、実際わたしもトランスのトランスならではの苦悩については、知らない事がたくさんあって、あらゆる問題への考え方、というよりは感じ方がすごく変わった。

それから何より、セクシュアルマイノリティのことを語るとき、なぜ政治や歴史に必ず触れざるを得ないのか、みたいなとこへの気づきがあったのがいちばん大きかった。

一部のフェミニズムのトランスフォビアについてはもっと考えたら詳細にわかりそうだから突き詰めたいところ。

ひとりで酒を飲み、ぐじぐじと考えながら眠る。