情操教育‪α‬

忘却炉に送るまえに

0509

ひさびさに穏やかな気持ちで目覚めた。猫が窓をあけさせて春風を浴びていた。

これまで住んでいた家をやっと退去した。すべての荷物を運び出し、少し掃除をして、不動産屋と立ち合いをして、鍵を返却。疲労でさみしさを感じる余裕もあまりない。し、何もかも運び出してしまったこの家はもはや私が住んできた「あの家」ではなかった、むしろ入居した日のことを思い出し、懐かしささえおぼえた。前の家を思い出せる写真は、アルバムの中でフォルダ分けしてまとめておいた。見返してみると、冬の写真ばかりだった。去年の春〜夏は主に実家で過ごしていたし、2年前も夏休みは長く実家に帰っていたから?

家で弟が留守番していて、その間に冷蔵庫が交換された。前の冷蔵庫は1000円で買い取られて行った。

手伝ってくれた父と弟が帰ってからは、母とまた怒涛の勢いで荷解きをし、とうとう今日じゅうに段ボールがすべてなくなった。とてもがんばったと思う。もうなんの不具合なく普通に生活が送れる、すっきり片付いた部屋になった。

その部屋でまず最初に、配信が今日までのダムタイプのS/Nを見た。

母が風呂を沸かしてくれた。初めて新居で風呂に入ったが、今までの片手でオッケーを作ったときの丸の大きさぐらいのサイズのシャワーヘッドと違って、たくさん水が出ることが、ものすごくしあわせだった。それから母と初めて新居で軽く晩酌をした。隣人に壁を叩かれることを気にして小声で喋ったりしなくていいのが嬉しい。家の設備についてはまだ全然わからないことがたくさん。