情操教育‪α‬

忘却炉に送るまえに

0305

夜明け前に眠ったけど、用事に間に合うように起きる。長く携わってきたムービー作品の最後の調整作業に入る。

スクリーンと芝生とテントと無印製の人をダメにするクッションと美味しいお茶と鯛焼きのあるすてきな空間に6時間ほど居た。その場で曲を修正したり作り直したり編集し直したり、を繰り返してかなり熱中した。

仕事に入る前の雑談タイムみたいなとき、私は立ち居振る舞いがわからなくて、こういうとき積極的に空気をやわらげていこうとする女性のようにはなれないが、仕事がはじまって自分にできることがあってその上で結ばれる協力やコミュニケーションはとてもしっくりくる。それ自分できます!と言ってのびのびと力を発揮できることそれ自体が喜びで、そういう健全な環境を見つけられたら、労働じゃなくて仕事と言えるかもしれない、そういうことをやりたい、 

すべてが終わって、やっとほとんど完成に近づいたお祝いと、ここのところ連日の徹夜からの開放感でご褒美タイムにしたいところだけど、もう20時だし雨も降っているし、不貞腐れながらじゃあ1秒でも早くかえりたいなーってことだけ考えて電車に乗って、帰宅後とりあえず死なないために空腹を凌いだ。せめて、という気持ちで銭湯に行く。いつものとこが閉まってたから、駅の反対側まで足を伸ばす。近隣でいちばん小さなところ。水風呂がないかわりに体温ぐらいの温度の湯があって、そこに浸かって体を冷ます間はもう、時間の感覚も忘れるほど気持ちよかった。湯からあがると、体の中に綺麗な空気が入っていく心地がする。

350ml缶のレモン酎ハイを2本飲む。最近は制作があったから、ひとりっきりで家飲みするのひさびさ!ごきげんで自分でおつまみ取りにいったりするのがたのしい。飲みながら来世ちゃんのドラマを見終えた。性愛のありようが、やさしい世界で、でもヘテロ性愛を謳歌する人びととそれらのコードみたいなものを読み取ってしまうとぶん殴られたような気持ちになるような破壊力もあって、なににしろ、だいすき。

べろべろの状態で締めに急須でお茶を煎れて飲むんだ、これがいちばん美味しかった。達成感も相まって!また明日からは実家のベッドでねむるので、おもいきり、いい夜をすごした。