情操教育‪α‬

忘却炉に送るまえに

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紙に毎日をメモしているし、自己完結していけるから、人に見えるところで何か書く必要がなくなっている。

今までで出会った中で唯一、ひとりだけ嫌いな人がいて、そいつのことをちゃんと思い出していたら、あの最悪な一件は、何もかも自分が悪かったのでは?!と気づき、世界ひっくり返った。あいつ正しいことしか言ってなかった、そして自分がなぜそれに気づくことができなかったのか、あの時の自分の振る舞いはどういう感情の経緯でやってしまったのか、あいつはあの頃のわたしに何を見出して何を嫌悪してきたのか、すべてわかり、なんというか、ただただ本当に驚いた、

じめじめした自己陶酔に似た自己嫌悪ではなくて、あかるく乾いた感情、渾然とそこにある事実として、受け入れられるとかられないとかではない、自分の醜悪さ卑怯さを見つけてゾクゾクし目眩し笑った、ずっと毎日寝てきたベッドの下が真っ黒に腐食していたことを不意打ちで知った時などにこういう感じの感情になるだろうな