情操教育‪α‬

忘却炉に送るまえに

0825

弟は陸上部に入ってからふつうの服というのをまるで着なくなった。ものすごく軽くてすぐ乾く素材の短パンとタンクトップ、もしくは部T。寝間着という概念もなくなって、昼も夜もつねにその服装でいるようになった。もともとおしゃれにこだわりがないし、衣服の肌への接触をきらい、自由でいたい、いつでも走り出せる格好でいたい、という気持ちらしい。私は女だしあんまりそういうわけにもいかないので、いいな~と思うけど、今日着た水色のワンピースが意外にも まさにそういう感じで、ほとんど裸のような自由さと快適さだった。何をも拘束しないので、体感としてもっとも裸にちかいスタイルだとおもいます。見た目がかわいい女の子みたいになってしまいますがそれもまあ良し。1週間ワンピースだけを着ても困らないぐらいの数は集めたい。

 

今日はめちゃくちゃ読書が捗った。積ん読をあちこち、ぐんぐん消化した。

 

スーパーやドラッグストアの買い物で、なんであんなに時間がかかるのかわからない。食品と日用品を買うのに私は極力時間をつかいたくない、サッと見てパッと金払って帰ればいいのに、なんて無駄が多いんだろうと付き添っていていつも思う。買い物付き合うのも親孝行かな~と思って誘いは断らないようにしてるけど。

 

今日も父がちょっと荒れた。喧嘩だと思ったことはない。自分の痛みを肥大化させてそれに食われてしまった人は、人を傷つけることしか考えないし、そういう状態に入ってしまうとなんの言葉も届かない。圏外。何千回と見てきているので人間関係は諦めることがデフォルトになったし線を引けば大抵をゆるすことができる。私がいちばん傷つかないのにいつも私だけ東京に逃げているようで苦しい。

顔つき、声音、モンスターがめざめる瞬間みたいなのがある。飢えを訴えていることだけがわかる。普段はなりを潜めていて、永遠に満たされない自尊心が脅かされそうになると暴れ出す。

同じ血の流れることを実感させられるたび、蠢くモンスターの気配にぞっとする。幼稚園ぐらいまでわたしは攻撃的な子どもだった。運動会のビデオにうつった怒る自分の醜さにショックを受けて以来、明確に攻撃性を封印している。封印してるだけだから、人を傷つけるのが過剰に怖い。

父は弱いから自分の非には一生気づかない振りをするだろう。憐れだと思う。人を憐れだと思うのは最低の感情だ。

父は人当たりがよく、勤勉で、胎児のころから私を溺愛している。できる限りはいい娘であろうと思う。

あとは母がなんの心配もなくこの家を離れられるように、早く・たくさんお金を稼げるようにしたい。